胃がんリスク検診ででA、B、C、(D)判定が使われるようになってきました。まだ、データが十分そろってきたとは言えない状況ですが、現在あるデータからできる限りその影響度を調査してみました(詳細は次のファイル)。その中でも特にA判定の方、つまりピロリ菌非感染かつペプシノーゲン判定陰性(胃が荒れていない)のデータはわりと安定したデータが出ています。よく、メタ解析が使われますが、条件が違うデータを一律にメタ解析するのはよくありませんので、いろいろな調査の最悪をとり、リスク比が０．１５倍として、胃がんに罹患する平均生涯リスクを計算しました。年齢別の影響度が明確になっているものは存在しないので、一律に修正したものとなります。そして、これは、あくまでもそれABC判定以外は、全てが平均的な日本人がいた場合のその平均余命を厚生労働省の統計データよりとり、その余命にがん情報サービス、がん登録・統計の年代別罹患率を用いて計算したものです。実際には個性があり、胃がんの場合は、ピロリ菌感染とペプシノーゲンの反応の組み合わせ以外にも、塩分の摂取量、喫煙の有無、そしてストレス等様々な要因によりそのリスクは変化します。ただ、A判定の場合の胃がんの罹患リスクの参照には充分なりえると考えます。
　　

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	男性		女性
年齢	平均余命	がん罹患リスク	平均余命	がん罹患リスク
0歳	80.50	1.53%	86.83	0.76%
1歳	79.67	1.55%	86.00	0.77%
2歳	78.70	1.55%	85.03	0.77%
3歳	77.71	1.55%	84.05	0.77%
4歳	76.73	1.55%	82.06	0.77%
5歳	75.74	1.55%	82.07	0.77%
6歳	74.74	1.55%	81.07	0.77%
7歳	73.75	1.55%	80.08	0.77%
8歳	72.76	1.55%	79.08	0.77%
9歳	71.77	1.56%	78.09	0.77%
10歳	70.77	1.56%	77.09	0.77%
11歳	69.78	1.56%	76.10	0.77%
12歳	68.78	1.56%	75.10	0.77%
13歳	67.79	1.56%	74.11	0.77%
14歳	66.80	1.569%	73.11	0.77%
15歳	65.81	1.56%	72.12	0.77%
16歳	64.82	1.56%	71.12	0.77%
17歳	63.83	1.56%	70.13	0.77%
18歳	62.85	1.56%	69.14	0.77%
19歳	61.87	1.57%	68.15	0.78%
20歳	60.90	1.57%	67.16	0.78%
21歳	59.92	1.%57	66.17	0.78%
22歳	58.96	1.58%	65.19	0.78%
23歳	57.99	1.58%	64.20	0.78%
24歳	57.02	1.58%	63.22	0.78%
25歳	56.05	1.59%	62.23	0.78%
26歳	55.09	1.59%	61.25	0.78%
27歳	54.12	1.59%	60.27	0.78%
28歳	53.15	1.60%	59.28	0.78%
29歳	52.18	1.60%	58.30	0.78%
30歳	51.21	1.60%	57.32	0.78%
31歳	50.25	1.61%	56.34	0.78%
32歳	49.28	1.61%	55.36	0.78%
33歳	48.31	1.61%	54.38	0.78%
34歳	47.35	1.61%	53.40	0.78%
35歳	46.38	1.62%	52.42	0.78%
36歳	45.41	1.62%	51.44	0.78%
37歳	44.45	1.62%	50.47	0.78%
38歳	43.48	1.63%	49.49	0.78%
39歳	42.52	1.63%	48.52	0.78%
40歳	41.57	1.63%	47.55	0.78%
41歳	40.61	1.64%	46.58	0.78%
42歳	39.66	1.64%	45.61	0.78%
43歳	38.71	1.64%	44.64	0.78%
44歳	37.76	1.64%	43.68	0.78%
45歳	36.82	1.65%	42.72	0.78%
46歳	35.89	1.65%	41.76	0.78%
47歳	34.95	1.65%	40.81	0.78%
48歳	34.02	1.66%	39.85	0.77%
49歳	33.10	1.66%	38.91	0.77%
50歳	32.18	1.66%	37.96	0.77%
51歳	31.27	1.66%	37.02	0.77%
52歳	30.36	1.66%	36.08	0.77%
53歳	29.46	1.66%	35.14	0.76%
54歳	28.57	1.66%	34.21	0.76%
55歳	27.68	1.66%	33.28	0.76%
56歳	26.80	1.65%	32.36	0.76%
57歳	25.93	1.64%	31.43	0.75%
58歳	25.07	1.64%	30.51	0.75%
59歳	24.21	1.63%	29.60	0.74%
60歳	23.36	1.62%	28.68	0.74%
61歳	22.52	1.60%	27.77	0.73%
62歳	21.70	1.59%	26.87	0.72%
63歳	20.88	1.57%	25.97	0.72%
64歳	20.08	1.56%	25.07	0.71%
65歳	19.29	1.55%	24.18	0.70%
66歳	18.51	1.52%	23.30	0.69%
67歳	17.74	1.49%	22.42	0.68%
68歳	16.23	1.46%	21.54	0.67%
69歳	16.23	1.44%	20.67	0.66%
70歳	15.49	1.42%	19.81	0.65%
71歳	14.76	1.37%	18.95	0.63%
72歳	14.04	1.33%	18.10	0.62%
73歳	13.33	1.28%	17.25	0.60%
74歳	12.63	1.24%	16.42	0.59%
75歳	11.94	1.20%	15.60	0.57%
76歳	11.27	1.14%	14.79	0.55%
77歳	10.62	1.09%	13.99	0.53%
78歳	9.99	1.04%	13.21	0.51%
79歳	9.37	0.98%	12.45	0.49%
80歳	8.79	0.94%	11.71	0.47%
81歳	8.22	0.87%	10.99	0.45%
82歳	7.69	0.82%	10.29	0.43%
83歳	7.18	0.76%	9.62	0.41%
84歳	6.70	0.71%	8.97	0.39%
85歳	6.24	0.66%	8.35	0.37%
86歳	5.82	0.62%	7.75	0.34%
87歳	5.41	0.57%	7.18	0.32%
88歳	5.03	0.53%	6.64	0.29%
89歳	4.68	0.50%	6.13	0.27%
90歳	4.35	0.46%	5.66	0.25%
91歳	4.04	0.43%	5.22	0.23%
92歳	3.76	0.40%	4.82	0.21%
93歳	3.49	0.37%	4.45	0.20%
94歳	3.25	0.35%	4.11	0.18%
95歳	3.02	0.32%	3.78	0.17%
96歳	2.81	0.30%	3.47	0.15%
97歳	2.61	0.28%	3.19	0.14%
98歳	2.43	0.26%	2.92	0.13%
99歳	2.25	0.24%	2.67	0.12%
100歳	2.09	0.22%	2.44	0.11%
101歳	1.95	0.21%	2.23	0.10%
102歳	1.81	0.19%	2.03	0.09%
103歳	1.68	0.18%	1.85	0.08%
104歳	1.56	0.17%	1.68	0.07%
105歳~	1.45	0.15%	1.52	0.07%

１．興味深いことに　男性は、50歳(1.68％)が最もリスクが高く、女性は35歳(0.78%)が最もリスクが高くなっています。
２．この結果を見ますと、ABC胃がんリスク検診でA判定であった方は、胃がんに関してはほとんど心配する必要がないように思われます。ピロリ菌の除菌の効果に関してはまだはっきりしたデータがあるわけではなく、この値を当てはめることはできません。
３．このABC検査が何年有効であるかの明確なデータは現状ありません。そこで、有効年数によっては、上記の値の修正が必要とされます。ピロリ菌の非感染状態は一生涯保持されますが、ペプシノーゲンの状態は胃の粘膜のあれ具合をあらましますので、生活習慣やストレスなどによって変化することが考えられます。

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